燃えませんように。

本音駄々洩れブログ

言ったのに

時間が経ったので、特にフェイクを入れることなく言えるようになったので記事にしようと思う。

 

私には子供が二人いる。

一人目が生まれてしばらくしてから、ある病気が流行りだした。

麻疹である。

麻疹の病状やその怖さに関しては、各々で調べてほしい。

そして、予防接種や抗体チェック等を行ってほしい。

なぜ全て他人任せなのか、調べたりニュース等で知っている人がいるかと思うが、この病気の予防接種は妊婦・乳児は接種できない。

乳児が接種できるようになるまで、数か月かかる。また、一度の接種だけでは完全に抗体は出来ず、何度かに分けて接種しなければならない。

あまり詳しく言って誤情報だったら責任が持てないので、やはり自分たちで調べてみて欲しい。

さて、前述したがこの予防接種が打てない人(妊婦や乳児だけに限らず、体質として接種出来なかった人)を守る為には、接種出来る人間が全員接種することで、感染を防ぐことができる。流行らなければ、移らない。当然である。

この麻疹という病気は、感染力と重症化がインフルエンザなどの比ではない。とても重い病気だ。その為、麻疹等のワクチンは今現在、対象の月齢の子供には無償接種になっている。

このまま麻疹について書いてしまうと長くなるので、前置きとしては麻疹から我が子を守りたいから、お前が予防しろ、という事である。

 

会社でも麻疹が話題に上がることが何度もあった。

そのたびに、「私はすでに3回接種しているが、抗体があるかどうか分からない。なのでどうか、このオフィスにいる人達だけでもワクチンを接種して欲しい。お腹の子のために」と言っていた。

その話をして接種してくれた人は、たぶん0だった。

インフルエンザのように会社から補助が出るわけでもない。自腹で接種しなければならない。

きっと泣いて頼んでも、接種してくれる人はいなかっただろう。

これが子供が身近にいない世間一般の反応なんだと思い知った。

 

一人目の娘が無事にワクチンを1回接種できた頃、息子も生まれ同じようにワクチン接種出来るまでは、なるべく人込みを避けた生活を送っていた。

そんな中、同僚から連絡がきた。

この同僚は家も近いこともあり、息子を出産した時に病院までお見舞いに来てくれた。

その際に、自分の兄の嫁、同僚からすると義姉が妊娠中だという事を聞いた。

その義姉が元気な子供を産んだという連絡だった。

おめでとう、と伝え、初産だった同僚の義姉のために、同僚に色々とアドバイスをした。

義姉がどう思っているかは分からないが、基本的に出産直後はヘトヘトでボロボロだから、出産当日にはお見舞いに行くな(私の時には同僚と、なぜかその親も一緒に出産当日に見舞いに来た)など、一般的なアドバイスを送ったつもりである。

出産翌日に、同僚とその親。つまり生まれた子からすると祖父と祖母が、兄夫婦のもとへお見舞いに行ったと聞いた。とてもかわいい子だと写真付きで教えてもらった。

良かったねと返事をしておいた。

それから数時間後、再度同僚から連絡がきた。

「熱が出た」

と言われた。

すぐに兄夫婦へ連絡して、除菌と換気をさせろと同僚へ言った。

新生児に会いに行くなら、気持ちは分かるが万全の体調で行くべきだと少し怒った。特に義姉からすると初めての子で、不安も心配も大きいだろうから、余計な心配事を増やすんじゃないと叱った。

しかし、同僚はさらに信じられないことを言った。

「麻疹かもしれない」

本当に目の前が真っ暗になった。

あれだけ言ったのに。麻疹の怖さ、そしてそれを防ぐ手立てが、妊婦と新生児には何もないことを、あれだけ口うるさく言ってきたのに、身近に子供が生まれると分かっているこいつでさえ、ワクチンの接種をしなかったのかと。

冗談ではなく絶望した。

謝っても許されることじゃないけど、土下座してでも謝って伝えろ。今すぐに。と同僚にキツく伝えた。

同僚の兄夫婦も、それを伝えられてどうすることも出来ないが、それでも伝えなければならないだろうと判断した。無駄に不安を煽ることにもなるかもしれないが、知らないまま感染し、手遅れになるよりはよっぽどマシだと思った。

 

結果として、同僚は麻疹ではなくただの風邪ではあったが、それでも私は同僚を軽蔑した。自分の身勝手さ、思慮の浅さが人の命を奪うことがあると言うことが分からないのかと。

散々言っても、誰の心にも響かず、こうして病気は蔓延していくのかと。

冗談ではなく、君は殺人未遂を犯したようなもんだぞと伝え、反省したように見えたが、今現在もその同僚はワクチンの追加接種を行っていない。

 

我が子のことは自分で守れ?

自分ひとりの力ではどうにもならないことがあるんだ。

母親を責める前に、自分に出来ることをやってから石を投げろ。